潰瘍性大腸炎のページ
1

 潰瘍性大腸炎と診断されたのは、2001年の初夏だったとおもいます。けっこう患者が多い(5万人超)らしいのですがこんな病名は今まで知りませんでした。

 厚生労働省認定の特定疾患に指定されていて、医療費の本人負担額が軽減されていますが、患者数が年々増加傾向といわれ、いつ特定疾患から外されるか分からない状況であります。

 潰瘍性大腸炎について詳しくは、Yahoo!などでお探しください。

   
 別ウインドウで開きます

 この病気の原因(不明です)や症状(血便)、悪化防止の方法(静養)については、すでにあらゆるサイトの闘病記などで紹介されていますので、ここでは省略します。

 さて、そんな中であえてこのページを開設する意義としては、単に「この病気のことを知ってほしい」ということではなく、この病気にかかっているからこそ感じる悩みや希望をわたしなりに伝えたいことにあります。

 まず、この病気は、端から見てもわからないということです。特定疾患ではあるけれど、この病気は症状さえ軽ければ問題なく日常生活ができるし、業務につくこともできます。必要なのは、まず年1回の特定疾患申請。保健所に書類を申請しますが、郵送でも良いので問題ありません。(と思ったら、診断書がいる場合は本人持参必要- -#)1年おきくらいに診断書が要ります。それから月に1回程度の定期的な通院。それに年に1回または数回、内視鏡検査を伴います。この日は一日または半日の休暇が必要ですので就業先との調整が必要です。ここで休めないような会社は悪質会社と言えます(わたしは幸いそのような目にはあったことはありません)。ミクロでみると、一日数回、トイレに駆け込むことになります。これは、下痢ににた症状となるため致し方ありません。

 私の実際の症状としては、下痢の便が出るということではなく、血液の混じった粘膜が中心となって出てきます。腸内に潰瘍のような「糜爛」があり出血するためです。従って赤っぽい透明に近い汁のようなものが出ます。たまたま便が混ざって溶けて一緒に出る場合もあり、これが下痢と紛らわしくなります。あるときは通常の便が出ることで「正式な」下痢ではないことがわかります。一日数回、多い時は7〜8回トイレに駆け込みますが、微量の血だけが出てあとはガスばかりであることも多いです。

 私は発病中(いまもそうですが)、退職、求職、再就職を経験しました。ここでこの病気にかかっていることが多少のネックになることはさけられません。まず、こんな病気があったら困る、接客販売職はまず向きません。私は根っからこの職種は向いていないので選択肢が狭くなったわけではなかったのですが。また、就職セミナーなどで企業側が、出席者または面接応募者に対してアンケートをとりますが、間違いなく健康状態をきかれます。そこには正直に書かなければなりません。書いたら採用の可能性が減るのは間違いありませんが、書かないでいると、あとで、隠していたと思われても仕方ありません。このため、履歴書は、健康状態を書く欄のないものを選びました。

 運良く再就職を果たしましたが、健康状態については、特にきかれたりしなかったので自分から言い出すこともありませんでした。再就職後半年は有給休暇の取得ができなかったので、この間だけは通院しませんでした。ただ、健康診断では、一応通院中であることを正直に伝えました。現在、通院を再開していますが、業務に支障がでない限りで休暇の取得が可能だったのでこの点では幸運でした。(それよりもかなり柔軟にフレックス出勤ができるのがラッキー。)もし通院のために有休をとることを極悪と位置づける会社にいれば、さっさと見切りを付けた方がよいです。

 日常生活で気をつけなければならないことは、行く先々でトイレの存在を確認しておくことです。私は特に、バードウオッチングや、廃線跡探訪など、トイレがあるのかも分からないような場所へ行くこともあるため、スペアの下着を用意したり、トイレットペーパーを常備しています。ある時は、妻が生理用品を貸してくれたりもしました。これ、いかがわしい話ではありません。それだけ出血が深刻な場合があるのです。

 公衆トイレを利用する機会が増えました。なかには豪華な設備があるものや、ひどいものでは穴だけというものもありました。和式では極端によごれていて悪臭が立ち篭める個室も未だに多いです。しかしこれはこの病気になって初めて分かりました。下痢は我慢できないのです。排便の姿勢になって「準備」する前に体外に排出されるのです。あと、和式は排泄物が空気に触れるので臭いが発生しやすくなりますが、洋式なら排泄物はほぼ水中に没するし、自分のおしりで便器を塞ぐため臭いを遮断できます。この意味では洋式が断然快適です。現在まだ少ないですが。ただ洋式では、便器に肌が触れるためいやがる方もいらっしゃると思います。便器用ペーパーや洗浄液装置があれば安心ですが、そういうものは少ないので、水に流せる除菌ペーパーを携帯することをお勧めします。

 公園のトイレは最悪です。汚いからといった理由よりか、「照明設備がない」ほうが深刻です。ドアを閉めたら真っ暗!もちろんペーパーなんぞないので持参必須ですが、公園では懐中電灯(首から提げられるもの)が必要です。

 食生活は大して意識していません。脂っこい物や、消化しにくそうなものは避けるのが望ましいのですが、私は根っからのジャンクフード好き。そう簡単に諦められません。しかし、揚げ物や天ぷら、刺激物はやはり避けていました。乳製品は極力摂るようにしていました。

 私は2003/07現在、2度発症(再燃)、2度緩解を経験していますが、発症が収まったのは、いずれも内視鏡検査後でした。内視鏡検査前は、検査しやすいように大腸の中をきれいにするために、直前に食事をとらず、大量の水分を摂って腸内のかすをすべて出しておきます。結果的にそれが良かったのではと思いましたが、内視鏡検査のためにひどくなった患者さんもいるという話を聞いて、人それぞれであることを感じました。また、因果関係があるかはわかりませんが、それまで自家培養のヨーグルト(最近はやりです)を食べていたときはなかなか直らず、市販のヨーグルトに切り替えたとたんに発症が収まりました。主治医にも話しましたが、大して影響があることでもなさそうです。

 次のページ inserted by FC2 system